疑惑




「C.C.・・・」

甘く名前を呼んで、ベッドに横たえられた彼女の身体に縋りつく。
柔らかな胸に顔を埋めて、背中に回した腕で細い身体を抱きしめれば、C.C.はルルーシュの髪を優しく撫でてくれた。

「やはり女性の身体はいいものだな・・・」

例えそれが「魔女」と呼ばれるC.C.のものでも、女性特有の柔らかさに包み込んでくれるような優しさを感じることができる。
ルルーシュはこうやって時折甘えるように彼女の胸に顔を埋めて眠りにつくことがあった。
それでもそれ以上のことはしない。
だからC.C.も安心して甘えさせてくれる。

「お前は私が好きか?」
「さぁ、どうだろうな・・・」
「ではなぜ私に甘える?」
「・・・安心、できるからだ」

「そうか」とC.C.は優しくルルーシュの頭を抱きかかえた。

「お前が一番安心できる・・・」

ルルーシュにそう言われて、C.C.は満更でもない表情を浮かべる。

「男と違って、押し倒される心配もないし、欲を感じることもない」

腕の中でそう呟くように言ったルルーシュの言葉に、C.C.の慈愛の笑みが凍りついた。

―――・・・ルルーシュ、お前・・・!?

自分に魅力がないということなのか、それともルルーシュがゲイなのか・・・。
C.C.の思考は夜の闇と共に疑惑の渦の中に飲み込まれていった。